キャンプ座学!!「液体燃料の違いと安全な取り扱いについて」

知っておきたいキャンプの知識

液体燃料の違いと安全な取り扱いについて

 どうもKAZUです(^^♪

 キャンプで使用する「液体燃料」ですが、様々な種類があるのはご存じでしょうか?

 一般的にキャンプで使用する液体燃料は、「灯油」「パラフィンオイル」「ガソリン」「アルコール(燃料用)」を使用していると思います。

 しかし、使用する液体燃料によってどのような違いがあるのか?」

 今回は、キャンプの座学として「液体燃料の違いと安全な取り扱い」について、詳しくご説明していきたいと思います。

・灯油とガソリンの違いを知りたい方
・パラフィンオイルの原料や特性を知りたい方
・各燃料の「引火点、発火点、揮発性の意味」をもっと深く知りたい方
・安全に液体燃料をキャンプで使いたい方

 こんな方に「おすすめできる記事」になっていますよー(^_-)-☆

 ぜひ、ご参考になれば幸いです。

 この記事では、キャンプで使用する「灯油」や「パラフィンオイル」、「ガソリン」「アルコール(燃料用)」等の液体燃料の特性を掴み、注意点や管理方法などをご紹介しております。

最初に「液体燃料」の”特性”を知る

 まず、キャンプを安全に行っていく上で、液体燃料の取り扱いは、とても慎重に行うべきだとKAZUは考えます。

 いつも気を配りながらキャンプを行っています。

 「これくらいなら大丈夫。」

 と、油断した結果、火災事故に繋がる危険性がある為、防災の観点から「液体燃料の特性」を予備知識として持っておくことをお勧めします。

テント内で火災が起きたキャンプ場

液体燃料の特性

 最初に、灯油とパラフィンオイル、ガソリン、アルコール(燃料用)の特性を表にしてみました。

引火点発火点揮発性発熱量水溶性
灯油40℃~60℃255℃あり高い水に溶けない
パラフィンオイル95℃
※気体になれば燃える
なし低い水に溶けにくい
ガソリン-43℃以下300℃あり高い水に溶けない
アルコール(燃料用)13℃363℃あり少し高い水に溶ける
各液体燃料の特性

 表にして見ましたが、何やら聞きなれないワードが沢山ありますね(+_+)

 「引火点(いんかてん)」「発火点(はっかてん)」「揮発性(きはつせい)」などの専門用語が出てきて、「難しいかな?」と感じるかと思いますが、下記で分かりやすく解説していきますのでご安心を!(^^♪

引火点(いんかてん)とは?

 液体燃料を取り扱う上で重要なポイントは、「引火点」「発火点」です。

 まず、引火点ですが、

引火点:熱源があって、物体に着火する”最低温度”

 液体燃料は液の温度によって気体(蒸気)の発生する量が変わっていきます。

 着火反応が起きるのに充分な気体(蒸気)が発生すると、静電気や熱源によって反応が起き燃え広がります。

 この“火”“引”張ってこれる温度の“点”引火点と呼びます。

 イメージを少し柔らかくすると、引火点以上の温度になると「熱源(マッチなど)から蒸気に”移る”」という現象が起きます。

発火点(はっかてん)とは?

 そして、発火点ですが、

発火点:熱源なしに、燃焼し始める”最低温度(自然発火)”

 引火点との違いは、気体(蒸気)に着火するのでは無く、「”物質”が自然に発火する温度」のことを発火点と呼びます。

 例えば、天ぷらをしている途中で長電話をしていると、油(物質)の温度が上がって急に火がつく。

 油が“火”“発”する温度になる“点”発火点と呼びます。

 ※ちなみに油の発火点は370℃~400℃

なぜ?パラフィンオイルには発火点が無いの?

 そして、ランタンなどで使うパラフィンオイルですが、発火点はありません。

 それは、パラフィンオイルの原料が「蝋(ろう)」であり、「蝋燭(ろうそく)が液体になっている状態」に変化しているからです。

パラフィンオイル=蝋が溶けた液体

蝋が液体になっている状態が「パラフィンオイル」

 例えば、芯を抜いた蝋燭をライターで炙っても燃えることはありませんよね。

 少しだけ蝋が溶け出して、すぐに固まってしまうはずです。

 これは炙られた蝋が個体から液体になっても、すぐさま温度が周囲の個体に逃げて固まってしまうからです。

 じつは、蝋自体とても燃えにくい性質を持っているのです。

 それでは、どうやって蝋燭は燃えているのか?

 実は、蝋燭の「芯」に秘密があります。

 繊維で作られている蝋燭の芯が着火すると、熱せられ液体となった蝋を芯の繊維が吸い上げます。

 すると吸い上げられた微量の蝋が、熱で気体(蒸気)となって、酸素と結びつき着火します(気相燃焼)。

 この変化によって蝋燭は燃え続けるのです。

 つまり、蝋が原料であるパラフィンオイルに発火点が無い理由は、個体→液体→気体(蒸気)→燃焼という一連の変化が必要である為です。

揮発性(きはつせい)とは?

 さらに、液体燃料を安全に取り扱うのに欠かせないのが「揮発性の有無」です。

揮発性:常温の液体が気体にどれだけ変化しやすいのかを表した性質

 ガソリンを取り扱う際に、

 「ガソリンは揮発性が高いからあぶないよ!」

 ガソリンはとても燃えやすいから。」

 などと、一度は耳にしたことがあると思います。

 揮発性が高いと言うことは、「常温でも蒸発しやすい性質を持っている=非常に引火しやすいと、捉えることができます。

 ガソリンの他に、アルコールも揮発性が高い液体であり、こぼしてしまっても「乾きが速い」のはその為です。※蒸発(気体)を沢山しているから。

さらに!揮発性が高いガソリンの取り扱いは慎重に!

 痛ましい事故を連想させてしまうと思いますが、

 2019年、京都アニメーションで発生した「放火事件」は今でも記憶に新しく残っていると思います。

 犯人は、引火点が「-43℃」と、常温の環境下でも可燃性のガスが発生しやすいガソリンを使って燃焼(爆発に近い)を起こし、多くの犠牲者を出しました。

 こういった火災事故を絶対に起こさない為にも、キャンプシーンにおいても、揮発性の高いガソリンの取り扱いについては、細心の注意を払うべきだとKAZUは考えます。

各液体燃料の取扱い注意点

 特性を理解したところで各燃料の「取り扱い注意点」まとめてみました。

引火点発火点揮発性発熱量水溶性
灯油40℃~60℃255℃あり高い水に溶けない
パラフィンオイル95℃
※気体になれば燃える
なし低い水に溶けにくい
ガソリン-43℃以下300℃あり高い水に溶けない
アルコール(燃料用)13℃363℃あり少し高い水に溶ける
各液体燃料の特性

「灯油」の特性と注意点

引火点は40℃~60℃(常温より上)。
揮発性あり。発熱量は高い。水に溶けない。

 常温の使用で引火することは少ないが、暑い日の車内や屋外に置いておくことで引火点を超えることもあり注意が必要。

 さらに、引火してしまうと水に溶けず浮いてしまう性質を持っているので、水での消火が困難。

 保管は必ず推奨マーク(JIS)の付いた容器(赤や青など)で保管する必要がある。※紫外線により変色する恐れがある為。

灯油を主に使う道具】
オイルランタン
・石油ストーブ
・灯油専用のストーブ(マナスルストーブなど)

対流式の石油(灯油)ストーブ
反射式の石油(灯油)ストーブ
灯油を燃料とするストーブ「マナスル121」



ソロキャンプで大活躍しているヒューナースドルフの灯油タンク

「パラフィンオイル」の特性と注意点

引火点は95℃(常温より高い)
”非”揮発性。発熱量は低い。

水に溶けにくい。氷点下で凍る。

 パラフィンオイルは上記でも述べた通り「蝋(ろう)が液体になっている状態」である為、非揮発性である。その為、万が一こぼしてしまっても引火する可能性が低く、密室で使用しても室内に気体が充満することがない。

 また、煤(すす)や臭いも少ないので取り扱いがとても簡単で、初めて使う方におすすめできる液体燃料です。

 ペットボトルやプラスチックボトルなどに入れて持ち運ぶことが可能。氷点下以下になると凍る為、冬場の使用は難しい。※氷点下=-10℃あたり

氷点下以下だと凍ってしまいます

パラフィンオイルを主に使う道具】
オイルランタンなど

灯油やパラフィンオイルが使える「オイルランタン」
BUNDOKのスタンダードなオイルランタン※ソロにおすすめ

 また、パラフィンオイルを保管しておく容器は、灯油同様に「遮光ボトル」がおすすめです。

パラフィンオイルの保管には遮光ボトルがおすすめ


「ガソリン」の特性と注意点

引火点は-43以下で常温でも引火しやすい ※最も注意が必要
高い揮発性。発熱量は高い。水に溶けない(水での消火が困難)。

 ガソリンの引火点は-43℃と低く、冬場でも熱源があればすぐ燃える。また、可燃性のガスを常に充満しやすい特性を持っており、きっかけがあればすぐ「爆発的な燃焼」を引き起こしてしまう。

 引火してしまうと水に溶けず浮いてしまう性質を持っているので、水での消火が困難。

 必ず消防法令で定められた基準をクリアしている容器(金属製など)で保管する必要がある。※細心の取り扱いが求められる。

消防法令で定められた容器を使用する必要がある


【ガソリンを主に使う道具】
ガソリン専用のストーブ(SOTO MUKAストーブなど)
ガソリンランタン(Coleman ガソリンランタンなど※ホワイトガソリン使用)

ホワイトガソリンを使用する「ガソリンランタン」

「アルコール(燃料用)」の特性と注意点

引火点は13℃で常温でも引火しやすい。
揮発性。発熱量は少し高い。水に溶ける(水での消火が可能)。

 アルコールの引火点は13℃と低く、常温でも可燃性のガスが充満しやすい特徴を持っています。きっかけがあれば引火してしまう。

 水に溶ける性質を持っており、引火後は水での消火が可能。

 ペットボトルやプラスチックボトルなどに入れて持ち運ぶことが可能。しかし、揮発性が高い為、気密性のある容器が望ましい。

アルコール(燃料用)を主に使う道具】
アルコールバーナーなど

 アルコール(燃料用)はホームセンターなどで購入することができます。

アルコール(燃料用)

 アルコールは揮発性が高いので、お酒などを入れておく「スキットル」という容器に入れておくと蒸発せず保管することができます。





最後に

 いかがだったでしょうか?(^^♪

 液体燃料の「特性」を知ることで、これからのキャンプを安全に行うことができるようになります。

 最も取り扱いに注意したいのが、「ガソリン」になり、常温や氷点下-20℃以下でも簡単に引火してしまう性質を持っています。さらに、揮発性が高いので「密閉されている空間(テント内など)での使用は厳禁」となります。

 次に、「アルコール(燃料用)」「灯油」ですが、アルコールの場合は水を使った消火が可能ですが、灯油の場合は「水に溶けない性質」を持っている点に注意が必要となります。おそらくキャンプシーンで一番使う液体燃料になると思いますので、十分防災を意識した取り扱いが求められていきます。

 最後に、「パラフィンオイル」ですが、非揮発性の為、万が一こぼしてしまっても引火する可能性が低く、他の液体燃料と比べて「安全に使用できる燃料」になり、初めてキャンプで使う方などに最も適した液体燃料になります。

 道具によって使える液体燃料も変わってきますが、自身の装備に見合った液体燃料を選択して、安全なキャンプを楽しんで行ってほしいですね(^^♪

 長い記事でしたが、最後まで読んで下さってありがとうございます。

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